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学校教育改革運動

Education

わかる授業 楽しい学校

252:子どもたちが夢中になる物語の出版学習

  新学習指導要領小学校国語科では、言語活動例に「物語の創作」が新たに加わりました。しかし、子どもたちが作った物語も原稿用紙のまま掲示物として貼られていたのでは、実生活で生きてはたらく力の育成にはなりません。
  そこで「作家になろう」という、創作した物語を地域に出版するという大単元を作り、実践しました。清書ではパソコン入力してクラスで一冊の本にまとめて地域に百部出版し、近隣の小学校や図書館、病院の待合室などに置かせていただきました。それがきっかけで、他校と創作した本を交換し合う学習交流が生まれ、一年間で二校合わせて六冊の本を出版しました。「物語を読まずにはいられない、書かずにはいられない」という、生き生きと物語を楽しみ続ける子どもたちを育てたいという願いに、少し近づくことができた実践でした。
  今後も指導計画や指導方法を改良し、地域との交流を図りながら、継続的に実践していきたいと考えています。

251:伝統的な言語文化を通して育てる言語力

  新学習指導要領・国語科に〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕が新設され、高学年では「俳句を書く」という言語活動が示されています。高学年の俳句単元の導入として、「書く」ことを通して、俳句に親しむことのできる授業づくりができないかと教材研究を行いました。事前アンケートの結果から、児童の多くに俳句に対する抵抗感があることが分かりました。そこで、学習への抵抗を無くすため、「ちびまる子ちゃん」の映像やクイズによって俳句の基本的な決まりをおさえました。俳句づくりでは、全員が創作できるよう、自作の写真教材を用意しました。その結果、全ての児童が四十五分の中で俳句を完成させ、達成感を味わい授業を終えることができました。
  今後、鑑賞や推敲など、さらに俳句の世界に触れる機会を多く作っていき、古典に親しみながら、児童の言葉の力が確かに、そして豊かに身に付いていくように授業の改善を図っていこうと思います。

250:表現豊かに読む、読み取り活動

  2学期に本校4年生で実施した「一つの花」の授業を紹介します。実態調査の結果、物語文を読むことに苦手意識があったり、物語の登場人物に感情移入できなかったりということが分かりました。そこで本学級では音読活動の充実を図りました。
  授業のはじめに「ペア読み」「タケノコ読み」などさまざまな音読活動をさせ、文章をすらすらと読めるまで練習しました。このことは音読が苦手な児童にも自信を与えました。次に好きな部分を強弱や間などをさまざまな線で表したり、気持ちを吹き出しで加えさせたりして、自分だけの台本作りをさせました。その上で音読発表会を開いたことで、子ども達が意欲的に楽しんで音読できるようになりました。また、どうしてそう読んだのかを担任が問いかけることで、登場人物の心情に迫り、深い読解に繋がりました。これからのとりくみとして、教科書の物語だけでなく、自分の好きな詩や文を自分なりの表現方法で音読させていきたいと考えています。

249:課題を理解し。動きや技能を育む体体育学習 「ネット型」ゲームの学習を通して

  八積小分会での体育指導では、①「生きる力」を育成する②知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成を重視する③豊かな心と健やかな体を育成することを重点としてとりくんでいます。
  そこで、ルールや作戦を工夫し、課題発見・解決していく中で、集団対集団の攻防により楽しさや喜びを味わうことができる学習として、五年生を対象に、ボール運動「ネット型」のプレルボールの授業展開を行いました。
  学習では、①ボール操作②ボールを持たないときの動きを課題とし、①では、サービス・パス・返球など、ボールを制御する技能習得として、「ラリーゲーム」を行いました。②では、落下点の予測・移動、味方のサポートなど、ボール操作に至るための動作習得として、「協力チームラリー」を行いました。
  この学習を通して、協力し、技能を身に付け、ルールやマナーを守り、仲間とゲームの楽しさや喜びを共有することができました。

248:立体を伝える活動を通して

  中学1年数学科での実践です。立体を直接見ることができない相手に、FAXで立体の情報を送るという場面を想定し、立体の「説明書」を作って伝え合います。それぞれ違った立体模型の情報を紙にかき、互いにその情報を交換して粘土で再現するという流れです。生徒は、立体模型を様々な角度からじっくり観察し、構想を練ってからかき始めました。ある程度かき終わると、「説明書」を客観的に点検し、相手に伝わるかという不安から、必要と思われる情報をかき加えていきました。この活動を通して、立体についての理解を深め、言葉の役割や目的にあった図の必要性を実感させることができました。
  今回は、投影図や見取図の活用を意図して実践しましたが、言葉だけで伝える展開も考えられます。基本的な立体であれば、小学校でも可能ではないでしょうか。この「伝える」という活動は、他の分野でも理解を深める上で有効な手段になりうると考えます。

私たちの学校改革 ~一分会一テーマのとりくみ~

39:キラリ輝きを持った子どもを育てる学校をめざして―集会活動を通したとりくみ―

  本校は学級数29、児童数893人の大規模校です。人との関わりをうまく持てなかったり、リーダーシップがとれなかったりする子どもが多く人間関係が固定化しがちな傾向があります。今年度、私たちの分会では、一人ひとりが自己存在感を高め、キラリ輝ける児童の育成をめざし、「思いやりを持ち、進んで人と関わることのできる子どもの育成」をテーマに、さまざまな集団活動にとりくんでいます。そのような学校改革を推進するために、異学年交流と集会活動を柱として、自分の気づきや思いを発信したり行動化したりする楽しさを実感し、進んで人と関わることのできる子どもを育てたいと考えました。
  異学年交流は、1・6年生、2・4年生、3・5年生を姉妹学年として位置づけ、企画運営に当たっては、各学級で実行委員体制でとりくんでいます。年間7回の定例の異学年交流(フレンジャータイム)として、仲良し遠足、仲良し給食、ゲーム大会、七夕会、理科発表会、スポーツ大会、清掃など多岐にわたり活動しています。その他、実行委員を中心にして常時活動として学級・学年での交流を行っています。特に、1年生と6年生については、教室を同じ校舎の1階と2階に配置し活動が容易になるようにしました。
  集会活動を『全校児童を対象とした学びの場』と据え、集会委員を中心として児童活動の充実をめざしています。「あいさつの嫌いな王様」など子どもたちが企画演出した劇や読書ボランティアの方々の読み聞かせ、教職員の合唱、地域の方々の影絵など内容も子どもたちの興味関心を高めるものです。集会の流れは必ずプリントし、校長の話もどこでどのようなことを話したら効果的なのかまで考え集会委員がお願いしています。
  今後も、異学年交流と集会活動を通して、『キラリ輝く子どもの姿で語れる学校』をめざし、熱意と誠意そして創意を持って進んでいきたいと思います。

38:伝統の体育実技研修で元気な明るい職場を

  本校は、1930年の第1回公開研究会から、戦時中も途絶えることなく、本年で第78回を迎える伝統の体育研究校です。裸足、裸の体操で「教えることは、学ぶことなり」を合い言葉に研究実践を積み重ねてきました。
  「体操は身をもって」が本校体育研究が始まった当初からの合い言葉です。本校では、木曜日の放課後の時間を職員の体育研修日と位置づけ、定期的に実技研修を行っています。地域から講師を招き、徒手体操、肋木運動、器械運動の実技研修にとりくんでいます。
  また、木曜日に加えて、毎週土曜日の夜、時間に都合のつく職員は、地域の戸田小OBの方々による「戸田体操クラブ」の活動に参加させていただき、実技研修を受けています。さらに運動会前、公開研究会前の一か月程度は水曜日の夜にもこの活動が行われます。こちらはほとんどの職員が参加し、徒手体操を中心とした研修を行っています。
  体育では、動きのポイントを自分の体でつかむことが、児童に指導する際有効であると考えます。体で覚えると、児童のつまずきのポイントがよくわかり、そのための手立てもはっきり見えてきます。そして何よりも、児童に示範することができます。児童にとっては「百聞は一見に如かず」です。
  これらの職員体育実技研修を通して、本校戸田小分会の仲間が互いにアドバイスし合いながら、指導技術を磨き合い、よりよい授業を実践できるよう日々努力しています。そして何よりも共に体を動かし、気持ちの良い汗を流し合うことは、明日への活力となっています。また、実技研修の後には、決まって体育館で談笑をしながら、体育に限らず、日頃の学級経営等の悩みについて語り合う場も設けています。分会のテーマ「元気で明るい職場をめざそう」は、この職員体育研修で具現化されています。

37:小学校・中学校間の壁を取り除く~小学校での出前授業を通して~

  新島中学校では、2年前から学区の2つの小学校(新島小学校、湖東小学校)へ職員が出向いて出前授業を行っています。一昨年度は試行的に4人が行い、昨年度は全職員がどちらかの小学校で行いました。本年度も全職員が行う予定です。
  「中学校の教職員が学区の小学校に出向き、授業をすることで、中学校の授業への不安が取り除かれ、スムーズな中学校教育への移行が図れるであろう。」「小・中学校間での情報の共有ができ、教職員に、地域の子どもという意識が高まるであろう。」という考えのもと、小学校の子どもたちにあるであろう中学校に対する不安や怖さの壁、小・中学校の教職員間にある情報不足や子どもに対する認識の違いの壁を少しでも取り除こうと考えての実践です。
  出前授業での子どもたちは、中学校教職員と学習内容への興味関心が非常に高く、意欲的に授業にとりくんでいます。授業後の感想は好意的なものがほとんどで、中学校の授業に対しての不安が解消されたようです。今年度の1年生は順調な中学校生活のスタートでしたが、「先生の顔と名前を覚えていたので、安心感があった。」という入学後の感想もあり、期待した効果があったといえます。
  中学校の教職員にとっては、授業力を試される場でもあります。興味津々で待っている小学生に拙い授業はできないので、授業改善につながっています。プラスアルファの仕事ではありますが、その結果として小学生が入学を楽しみにしてくれているとなればうれしいし、がんばる力も湧きます。
  小・中学校の教職員間も、話す機会が増え、相互の理解が進みました。子どもへの理解も深まり、同じ学区の子どもたちという認識ができたと思います。小・中連携の一つの方法として、効果的な実践だといえます。

36:出張型学校委員会~分会力の向上を目指して~

  船橋支部は青年部の誕生もあり、組合員数は約550人となりました。しかし、組織率は決して高いとは言えず、分会単位で活動を展開することは未だに容易ではありません。分会の構成人数が少ないことで受身の活動が目立っていました。しかし、何もアクションを起こさなければ、支部としての力が高まらないばかりか、せっかく加入していただいている組合員がメリットを感じとることはできないでしょう。
  近年、船橋支部では、分会力の向上をめざして、「出張型の学校委員会」のとりくみを行っています。これまでは書記局近くの会議室で行っていた学校委員会の会場を市内各所にある公民館に移しました。会場近隣の分会の学校委員以外の組合員、時には未組の方にも参加を呼びかけて、組合活動の報告や学習を実施するというとりくみです。11月の学校委員会は、人事異動のとりくみをメインとして薬円台公民館で開催しました。約30人の仲間が集まり、国や県における教育界の動向や千教組の活動を学びました。また、人事異動については、たくさんの不安が寄せられました。船橋では、大量退職期を迎えて100人を超す採用があり、若年層の教職員は「初めての人事異動」に不安を隠せません。
  支部では、執行委員による分会訪問も始まり、分会に根付いた組織づくりの第一歩を踏み出しました。これからも、分会の声が届き、問題に対応できるような組織づくりを心がけていきたいと思います。

35:市川市支部主催 夏季教育講座

  市川市支部では「教育実践力の向上」をテーマとして、年に数回、支部が中心となり教職員に参加を呼びかけ、いろいろな行事を開催しています。今年度もその一環として、夏季休業中に「夏季教育講座」と称して学習会を開きました。
  今回の学習会は二部構成で、第一部は、千葉大学教授の明石要一先生をお招きし、『多様化する子ども・保護者とどう向き合うか』をタイトルに講演をいただきました。また第2部では、市川市内の小中学校の教職員3人と、明石先生をオブザーバーに、『今、困っていること・悩んでいること』をテーマにパネルディスカッションを行いました。
  講演会で明石先生は、さまざまな事象を紹介しながら、近年「社会・地域・保護者」が変わってしまったことに言及し、教育の地域格差、経済力による放課後格差等の問題を投げかけました。
  ディスカッションでは、パネラー三者三様のタイムリーな悩みが報告され、会場参加者からの意見や体験談などを交えながら、解決法を探りました。なかなか明確な解決法とまではいきませんでしたが、明石先生から最後に、「先輩は釣鐘。強くたたけば響く。先輩のいいところを学び、守り、それを破る。そして最後はそこから離れる。それが自然に行われる学校であってほしい」とアドバイスがありました。
  集まった参加者の多くは、「研修」として参加しています。昨今「研修」が簡単に取れなくなり、計画書や報告書の提出が面倒だといって、せっかくの権利を行使せずに済ませてしまう人も多いようです。行使する人が少なくなればやがて制度は廃れます。今後も市川市支部では、「研修で参加しよう」と呼びかけ、一人でも、一回でも多く「研修」を取り、研修制度を維持し、教育実践力の向上に役立てようと心がけていきます。
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